転職活動のときは、自分ができることをすべてリストにして組み合わせるといいと思います。できることの程度や知識の深さは関係ありません。過去の自分がやったことは、少なくとも自分ができそうだと思った、少しはできたことです。次の職場には熟練度が足りないかなと思えば、その時からまた磨けばいいだけです。出し惜しみはもったいないですね。
自分ができることを過小評価しない
転職の際は履歴書や職務経歴書が必要なるので、これまでの自分のキャリアを振り返り、スキルや経験をリストにしていくと思います。昔、僕は仕事で実際に使用したスキルだけを自分のスキルとしていました。それは自分がプライベートで身につけた知識やスキルが実務で役に立つか、自信がなかったからです。「学生時代にホームステイで英語を学んだけど実際のビジネスで使ったことがない」「個人でブログをやっているけどライティングの勉強をしたわけではない」など、自分で線を引いて、実はほかの人よりも優れている能力を切り捨てていませんか?僕はそうでした。でも転職の時は出し惜しみをしていてはもったいないことに気づきました。例えば英語。僕は大学時代、英語を専攻していましたが、留学経験もなければ、帰国子女でもなかったため周囲の英語力に比べて自分は劣っていると感じ、結局新卒の就職活動のときにも活かす自信がなかったのです。その後、外資系企業で職を得るまでのおよそ10年間、僕の英語力は眠り続けていました。
0と1の壁
20代後半のころ、ブラック企業からの脱出を試みて転職を繰り返すうちに、強い焦りを感じていました。そこで「もう、なりふりかまってはいられない」と思い、自分の中のすべてのスキルを総動員しようと決心したのです。転職の際、できないことをできると言い切るのはなかなか難しいものです。これは日本的な文化、価値観でもあるかもしれません。しかし海外では少しでもできれば、むしろできなくてもできると言い切る文化もあります(それがいいかどうかは別の話)。当時勤務していた職場の人に退職を伝えて食事に誘ってもらったことがありました。その時「君は謙遜しすぎる。もっと精一杯自信をもって、多少うぬぼれたくらいになってみなさい。心配しなくても謙虚さがにじみ出ているから他人から見るとちょうどいいよ」と言葉をかけてくれて、目からウロコが落ちました。こんな人、ほかにもいるんじゃないでしょうか。僕はこの時以来考えを変えてみました。自分ができると思うスキルを洗い出し、転職活動中はどんどんアピールしました。英語もそうです。ビジネスで使った経験なんてまったくなかったし、何しろ大学卒業後10年近く眠っていたものです。それでももう一度磨いて使ってあげようと思いました。過去の自分がせっかくした努力を無駄にするのはもったいないことです。英語が全くできない(0)のと、少しはできる(1)。0と1の壁は非常に厚いもので、これを超えられていない人がたくさんいるのです。今はできないかもしれない、けどおそらくできるだろう、ということは他にもありました。例えばhtmlやcssなどの知識。半ば独学で身につけて、零細企業での実務経験しかありませんでしたが、0と1の壁は超えていました。
スキルの組み合わせで何倍も効果的になる
棚卸ししたスキルは思わぬ化学反応を起こすことがあります。僕の場合は英語とWebの知識、英語とデザインのスキルでした。業界にもよりますがデザイン業界やweb業界には(一部のトップ制作会社を除けば)英語ができる人は少ない印象でした。学校の勉強を頑張って進学するよりもセンスやアイデアの方面の能力を活かして美大や専門学校に進んだ人も多いからかもしれません。そうなると英語ができて、デザインができる。というのは希少価値が生まれます。あとはそれを最大限に活かせる環境、例えば外資系企業のweb担当、デジタルマーケティング担当や、宣伝広告などに行けば、活躍のチャンスがあります。外資系企業は日本支社に少数のスタッフしか配置していないことが多いので、兼務するこのになります。そこで必要とされるのは、深い知識よりも、まずは浅くてもなんでもできる人。そして英語、だからです。他にうまくやれる人がいなければ自分の価値は自動的に上がります。
自分への投資は戻ってくる、しかし戻す判断をするのは自分
誰にでも努力をしたにもかかわらず、結局活かすことができていない経験やスキルがあると思います。でも生きていればつくづく感じることではありますが、無駄なことってあまりありません。僕の20代でのキャリアは一見バラバラでしたが、今現在も業務に程度の差はあれ、すべて活かされています。自分が自信をもってもう一度磨いて使っていく決意をすれば、新しく何かを学び始めるよりもずっと早く、有利なツールにできます。
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