何をしたらいい?マーケティング担当未経験からの一歩

日本だと大学などを卒業した新卒の状態でマーケティング部に配属されることはあまり例がないような気がします。中途で入社する人はそれぞれバックグラウンドが違って専門性も異なりますが、僕の場合はWebやグラフィックデザインの経験はあったもののマーケティングに関する知識はありませんでした。この記事では手始めに行ったことを紹介します。

とりあえず本をたくさん読んで人の経験に学んだ

僕が入社した企業は外資系企業の日本法人で規模が大きくなかったせいか、体系的なノウハウや教育の仕組みはありませんでした。ですのでとにかく本をたくさん読みました。自分で経験して失敗したり成功したりして学ぶのがよいのかもしれませんが、そんな余裕は僕にも会社にもなかったため、素直に他人の経験から学ばせてもらうことにしました。ただ、「伝説のマーケターが書いた古典」のようなものはあまり読んでいません。これらの本は時代を超えた普遍的な考え方である分、応用力が試されるため、未経験の僕が読んでも実務におとしこむのは難しいと少し読んで感じたからです。ある程度経験を積んでから読むと、自分の経験と紐づいて、納得感を持って読み進められました。初心者のときに一番知識の吸収率が高かったのは「ノヤン先生のマーケティング学(庭山 一郎 著)」ですね。これは対話形式で読みやすいし(マーケティングの本は略語や横文字の専門用語も多く小難しくて読みづらいです)、わりと素人向けに書いてあるので、わかりやすかったです。ちなみにWeb上にもマーケティングに関する情報は多くありますが、未経験だと何がわからないのかもわからない状態なので、体系的にまとまっている書籍をまずは1つ、2つ読むのをおすすめします。

❕ 本に書いてあることと日常業務は必ずしも同じではない

本は読みましたが、実際に毎日の仕事でマーケティングの本に書いてあるフレームワークを使っていろいろと戦略を練っているかといえば、そんなことはしていません。というかそんな暇ないです。いろんなフレームワークがありますよね。PEST、SWOT、4C、4Pなど……? 確かにSWOT分析なんかは、たまにホワイトボードなんかに書き出したりポストイットはったりすると「分析作業をしている感」は出るんですが、会社としてのビジネス戦略・方針を決めるようなことはそんなに頻繁にすることではないため(頻繁に戦略や方針が変わっては困るので)たまにしかやらないです。ちなみに分析した結果も毎日前線で働いて顧客の動向や営業の活動を知っていると、「うん、知ってたねこれ……」となることもあったりします。ですのでフレームワークを使って日常業務を行うことは稀ですが、とはいえマーケティングの概念や基本的な用語がわかっていないと、勉強のためイベントやセミナーに行ったり、外部の人と話したりするときにも不便なので、本は読んでおいて損はないと思います。

自分が働きやすくなる環境を作った

マーケティング部門がどこもそうだとは言いませんが、よく「マーケティングって何してるの?」って思われるらしいです。僕もそうです。社内の人はマーケティングが具体的に何をやってるのかよくわかってないんですね。なので部署間で浮いた仕事がマーケティングに押し付けられてしまうこともよくありますが、逆に言えば、皆がわからないなら僕が定義してしまえばいいんだと思いました。

依頼される仕事のフォーマットを作った

イベントの運営やWebの管理などをしていると、同僚がそれぞれのやり方であれこれ依頼してきて煩雑になってしまいがちです。なので、僕に依頼するときは満たしてほしい条件を設定しました。例えばWebページを作ってほしいのであれば、素材となる画像や文章をきちんと用意してもらう。自分でWebページを作ったことない人はそもそも何が必要なのか、どんな手順で作るのかをわかっていないことも多く、悪気はない丸投げをしてきがちです。僕がつねづね言っていたのは「Web担当は印刷屋と一緒、印刷屋は本の内容は書かないし写真も撮らないでしょう?」です。

営業に渡すリードの基準を明確にした

マーケティングが獲得したリード(見込み客)の情報は営業部門に渡されます。インサイドセールス担当がいる会社はインサイドセールスに、いない会社は直接営業担当に流れていきます。この仕組みが整っている会社ではきちんと条件が設定されているのですが、されていない会社もあります。営業担当も忙しいため、展示会で集まった名刺や、webからの問い合わせをただ渡すだけでは営業もなかなか対応してくれません。ですので、営業にヒアリングして、彼らが動きたくなる条件をを聞き出し、その条件を満たしたものだけ渡すのでそれは必ずフォローしてくださいね。ということにしました。こうするとマーケティングから営業のフローが以前よりも見える化され、結果的に僕の仕事のKPIもとりやすくなりました。

新しいもの(サービス、ツール)を導入した

自分が働きやすくなるサービスやツールがあったらぜひ導入すべきです。導入するまでに社内で自分の実績がないと苦労するかもしれませんが、そういう場合も地道にセミナーや勉強会に行って、資料を作り、上司や社長を説得する価値があります。それは新しいものを自分主導で導入すると社内で自分が一番詳しくなるからです。このツールについてはこの人が専門、という立場になることができると自分が仕事をしやすいように仕組みを作れます。ちなみに僕もいくつか導入しましたが、一番インパクトがあったのはMA(マーケティングオートメーション)でした。

短期の仕事と長期の仕事に分けた

小さいものから大きなものまで毎月開催されるイベントの手配や、Webサイトの変更や追加、修正などの眼の前の仕事が発生する中で、並行して長期戦略的なことも行うのが中小企業のマーケティングです。これらを混ぜて仕事してしまうと、ものすごく頭が疲れます。Webの修正、photoshopでWebデザイン、チラシをIllustratorでデザイン、イベントの会場の選定、予約、下見、そしてマーケティング戦略の打ち合わせ、これらは脳の使う場所が全然違うからです。しかも全部やってたら1日24時間あっても足りません……。ですので、僕は短期の仕事(Webの修正やデザイン、イベント関連)はなるはやで差し込まれ次第すぐやりますし、できるだけその日のうちに終わらせますが、長期の仕事(戦略策定系)はざっくりとしたスケジュール感でしかやりません。長期の仕事は他の作業的な短期の仕事と混ぜてやっても集中力も出ないし効率が悪いので1カ月単位で、空いてそうな日にしっかり時間をとってやることにしています。普段短期の仕事を優先して終わらせていれば、この日の短期の仕事(本当に急ぎのものを除く)はすべて無視しても社内からクレームはきません。

マーケティング担当になってはじめのころはこんなことを心がけていました。徐々に社内での自分の振る舞い方もわかってきますので、「何から始めればいいのか……」と思われる方は参考にしてもらえるとうれしいです。


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