働いてみたことがないと、外資系企業ってどんなところなのかよくわからないですよね。有名なIT関連企業やコンサルティングファーム投資銀行の様子がたまにテレビなどで紹介されていたりしますが、経産省の外資系企業動向調査によると2020年3月末の企業数は 2,808 社となっており、有名な会社以外にも多くの外資系企業が日本で活動していることがわかります。その一例をご紹介します。
英語がよく使われている
これは当然のように思われるかもしれませんが、もちろん会社にもよります。僕が最初に働いた外資系企業だと日本のオフィスに外国人がほぼおらず、彼らは日本語が堪能だったため社内で英語を聞く機械はほとんどありませんでした。海外オフィスや本社とのやりとりが発生する部署(経理とかマーケティング、IT部門は多めだと思います)はともかく、営業部やカスタマーサービスのような日本において日本のお客さんを相手にするのがメインの仕事である場合、英語を使う必要もほとんどありませんでした。それとは打って変わって、今働いている企業は社内のメールなどは基本バイリンガルもしくは英語のみですし、社内にも英語しかはなさない外国人もいるためミーティングも英語で行われたりします。
服装や身だしなみは比較的自由
日系企業でもベンチャーなど新しめの会社の場合は自由な服装での勤務が多いかもしれませんが、一般的には日本の企業はスーツやそれに準じる格好が暗黙の了解になっている気がします。外資系企業の場合はかなり自由です。以前の会社だとハーフパンツとデニム以外ならOK、というルールがありましたが、今の会社だとTシャツにハーフパンツの若手社員を見かけることもあります。一方でスーツをビシッと着ている人もいるので、各自が仕事しやすい服装をしているという感じです。クライアントを訪問するときにはスーツを着るけどそれ以外はラフな格好、という人も居ます。海外オフィスと大勢でつながる社内イベントなどがあると、当然ながら髪の色もそれぞれ違いますし、ヘアスタイルも文化を反映したものだったりするので、各国のオフィスそれぞれが現地の文化や社会情勢に合わせつつ自由な雰囲気を保っている印象です。
仕事中に音楽を聴いていても怒られない
これは結構共通してるんじゃないかなと思うんですが、ヘッドフォンやイヤフォンをして仕事している人が多くいます。日系企業だとちょっと渋い顔をされてしまうかもしれないですが、音楽を聴いて集中できるならそちらのほうがいいですし、用事があるときは外して対応しますから特に困ることはありません。ただ話しかけるときになかなか気づいてもらえなくて大きな身振り手振りをするのが少し恥ずかしいですね。あと最近はリモートで働くことも多いためミーティングもオンラインのことが多いです。そうすると音楽聴いているのかミーティングしているのかわからないこともありますね。
休暇がとりやすい
いつも世界中誰かが長期休暇を取得している、というと大げさかもしれませんが、夏季やクリスマスシーズンから春節あたりまでだと、少しずつずれて各文化圏が休むので、仕事がなかなか進まなかったりもします。12月になるとヨーロッパ/アメリカ文化圏がクリスマス休暇をとり、年末年始には日本はお休み、2月にかけて中国文化圏が休暇をとる、というような感じです。あとはSick leave(病気休暇)があるのも外資系には多いのではないでしょうか。有給休暇とは別に取得できるため具合が悪いけど有給休暇を消費したくないから無理して勤務する、というようなこともないです。
本社(親会社)との上下関係が希薄
日系企業で働いていたころ、とある企業グループの一つで働いていたのですが、親会社と子会社の関係は見えないバリアのようなものがありました。別の会社なので当然といえば当然ですが、福利厚生も違いますし、良くも悪くも「他人感」があり、あと上下関係を意識することも多くありました。一方で外資系で働いた経験では、大きな一つの会社が地球にあってその各国オフィス、という感じが強いです。もちろんグローバルの拠点、リージョンの拠点となるオフィスは規模が大きくスタッフ数も多かったりして、それに伴いローカルオフィスにはない設備があったりという違いはあるのですが、仕事上では「Hi ○○~、これについて教えてほしいんだけど」と同じフロアの他の部署にいるかのように付き合うことができます。本社や他のグループ会社とのやりとりという点では、心理的な垣根は外資系企業のほうが低い用に思えますね。
日系企業とあまり変わらない部署もある
前述しましたが、営業部やカスタマーサービス関連の部署は日系とあまりかわらない雰囲気のこともあります。お客さんは日本市場の人であるため、商習慣も日本の文化や社会に合わせる必要がありますから郷に入っては郷に従えということで、ザ・日本の営業マンという雰囲気の営業さんがいたりもします。外資系で働こうと思っている人は、営業担当だと場合によっては日系とほとんど変わらない働き方になるかもしれないと思っていたほうがいいかもしれません。
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